【中国の製品認証】CCC認証とCQC認証の違いとは?電線・ケーブルの対象規格も解説

2025.11.21 お役立ち情報

中国への製品輸出において必ず押さえておくべきは、「CCC強制認証」と「CQC任意認証」です。 この2つの違いは、対象製品においてCCCは「取得必須の法的義務」、CQCは「任意だがスムーズな通関と信頼性向上に不可欠な手段」となります。

この記事では、中国輸出の成功に欠かせないこれら2つの認証制度の基礎知識と、それぞれの具体的な対象製品・規格について解説します。

中国の製品認証制度の概要

中国の製品認証において、中心的な役割を果たすのがCQC(中国品質認証センター)です。

CQC(中国品質認証センター)とは

CQCとは、「China Quality Certification Center」の略称で、CCC強制認証やCQC任意認証等の認証業務を行う中国最大の認証機関です。

CQCの評価を受けた製品を中国に輸出することで、以下のメリットがあります。

  • 製品の品質・安全性の保証
  • 中国国内の法律や規制を遵守しているという信頼性の向上

CCC強制認証(3C認証)とは

CCC強制認証(China Compulsory Certification)は、一般的に「3C認証」や「中国安全強制認証制度」とも呼ばれています。

その名の通り「強制」力のある認証制度であり、対象製品リスト(強制製品認証目録)に含まれる製品を中国へ輸出・販売する場合、認証の取得と「CCCマーク」の表示が義務付けられています。

対象製品は、中国国家市場監督管理総局が公布する「強制製品認証目録」に記載されています。この目録は不定期に更新されるため、必ず中国国家市場監督管理総局のホームページで最新情報を確認する必要があります。

CCC認証の対象となる電線・ケーブルの例

以下は、CCC強制認証が必要となる製品の一例です。

製品カテゴリ 製品の種類 適用規格(GB規格)
電線・ケーブル 定格電圧450/750V及び450/750V以下の塩化ビニル絶縁電線・ケーブル GB/T 5023.1
GB/T 5023.3
GB/T 5023.7 等

※「強制製品認証目録」一部抜粋

つまり、GB/T 5023シリーズに適合した公称電圧36V以上で使用されるPVC電線は、強制認証の対象品の1つです。 これらを中国へ輸出する場合は、CQC(中国品質認証センター)によるCCC強制認証を取得し、製品にCCC強制認証マークを表示しなければなりません。

※上記は一例であり、弊社の見解です。詳細は必ず最新の「強制製品認証目録」をご確認ください。

CCC強制認証マーク

認証を取得した製品には、以下のマークを表示します。

CQC任意認証とは

CQC任意認証は、CQC(中国品質認証センター)が実施する任意の安全認証サービスです。 CCC強制認証とは異なり、取得は義務ではありません。しかし、CQCの厳正な審査に合格した製品として、「CQCマーク」を表示することができます。

あえて任意認証を取得することには、輸出実務上で大きなメリットがあります。

  • 信頼性の証明:CQCの審査に合格した信頼性の高い製品(電線等)であることを明確にできる。
  • 通関の円滑化:中国税関での検査や通関手続きをスムーズに行える可能性が高まる。

CQC認証の対象となる電線・ケーブルの例

CQC任意認証では、様々な用途向けの電線規格が存在し、幅広い構造の電線に対応しています。 対象製品の詳細は、CQCのホームページで確認できます。

製品カテゴリ 製品の種類 適用規格
電線・ケーブル 定格電圧1kV〜35kVの押出絶縁電力ケーブル GB/T 12706.1
定格電圧450/750V以下のPVC絶縁ナイロン被覆ワイヤおよびケーブル JB/T 10261
電気・電子機器用接続ケーブル GB/T 38296

CQC任意認証マーク

適合した製品には、以下のマークが表示されます。

まとめ:中国輸出における認証の重要性

中国へ製品を輸出する際、現地の税関で滞りなく通過できるかどうかは、ビジネスのスピードに関わる非常に重要なポイントです。 製品カテゴリーに合わせて、CCC(強制)またはCQC(任意)の適切な認証を取得しておくことが、トラブル回避と信頼獲得への近道となります。

弊社では、CCC強制認証およびCQC任意認証の適合製品に関するご相談や、税関で要求される認定書に関するサポートを行っております。 中国向けの電線・ケーブル輸出でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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技術部 U

日合通信電線株式会社の技術部で、設計・認証業務の他、各種お客様サポートに携わっております。[規格調査、環境規制関連、適合宣言書発行、非該当証明書発行 他]
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