CVケーブルとは?CVTケーブルとの違いをメーカー社員が解説

電気工事や電力設備の配線でよく耳にする「CVケーブル」や「CVTケーブル」。
どちらも高圧や低圧の電力を安全に送電するために欠かせない電力ケーブルですが、構造や性能、用途に違いがあります。
この記事では、メーカー社員の視点から
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CVケーブルの特徴と用途
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CVTケーブルの特徴と用途
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両者の違いと選び方のポイント
を初心者にもわかりやすく解説します。
CVケーブルとは?
CVケーブル(Cross-linked polyethylene insulated Vinyl sheath cable)は、架橋ポリエチレン絶縁・ビニルシース付き電力ケーブルの略称で以下のような特徴があります。
- 構造:導体を架橋ポリエチレンで絶縁し、外側をビニルシースで保護
- 用途:住宅・商業施設・病院などの構内配線に広く使用
- 性能:耐候性が高く、屋外露出配線にも対応可能
- 許容温度:最高90℃まで対応可能でき、電流容量が比較的大きい
CVケーブルには2心・3心・4心などの多心タイプ(CV-2C、CV-3Cなど)があり、介在物によって隙間を埋めて丸形に整形されています。
CVTケーブルとは?
CVTケーブルは、単心のCVケーブルを3本撚り合わせたトリプレックスケーブルです。工事現場などでよく使われ、以下のような特徴があります:
- 構造:3本のCVケーブルを撚り合わせ、介在物なし
- 施工性:軽量で柔軟性が高く、曲げやすいため施工が容易
- 放熱性能:介在物がないため放熱性が高く、許容電流も大きい
- 安全性:各心線が個別に絶縁されており、短絡事故が起きにくい
- 用途:幹線設備工事や太陽光発電システムなどに多用される
CVケーブルとCVTケーブルの違い
項目 | CVケーブル(CV-3C) | CVTケーブル |
---|---|---|
構造 | 3心を1つのシースでまとめ、介在物あり | 単心CVケーブルを3本撚り合わせ、介在物なし |
重量・柔軟性 | 重くて曲げにくい | 軽くて曲げやすい |
放熱性能 | 低い(介在物が熱を妨げる) | 高い(空間があり放熱しやすい) |
許容電流 | 小さい | 大きい |
施工性 | 硬く複雑なルートには不向き | 柔軟で施工しやすく狭所にも対応可 |
安全性 | 線間短絡のリスクあり | 線間短絡が起きにくい |
コスト | 一般的には大差なし | 一般的には大差なし |
まとめ
CVケーブルは構造が安定しており、配線ルートが直線的な場合に通線しやすいですが、柔軟性には欠けるため複雑なルートでは施工性が劣ることがあります。
一方、CVTケーブルは施工性・放熱性・安全性に優れ、幹線設備や屋外用途に適しています。どちらを選ぶかは、施工環境・電流容量・安全性の要件に応じて判断することが重要です。
日合通信電線では統一規格である国際規格や、それぞれの国に密着した法律、国家規格など数百件にも及ぶ認証を取得しています。そして、そのノウハウをもって様々な国に対する製品開発を行っています。
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