MTW (90℃ Dry)

参照規格NFPA79 2021Edition
配線環境乾燥した場所

NFPA 70、NFPA 79で規定されたコード名MTW(UL 1063)の許容電流で、周囲温度、サイズ、芯数などにより決定されます。

許容電流(A)※1
周囲温度が30℃以外の
場合の許容電流 =
1サイズと芯数に於ける
許容電流値
x
2芯数による
減少係数(4c～)
x
3周囲温度に於ける
補正係数

※1 この許容電流値は、ケーブルの芯数係数と温度係数のみを抜粋した値であり、その他使用環境により調整係数が異なる場合があります。詳細はNFPA70・NFPA79をご覧ください。

1 サイズと芯数に於ける許容電流値(A)
（周囲温度30℃）

サイズ（AWG）	1c - 3c
20	5
18	14
16	18
14	25
12	30
10	40
8	55
6	75
4	95
2	130
1	145
2/0	195
3/0	225
4/0	260
250 MCM	290
350 MCM	350
400 MCM	380
500 MCM	430

2芯数による減少係数(4c～)

芯数	係数
4 - 6c	0.80
7 - 9c	0.70
10 - 20c	0.50
21 - 30c	0.45
31 - 40c	0.40
41c 以上	0.35

3温度補正係数

温度(℃)	係数
21 - 25	1.04
26 - 30	1.00
31 - 35	0.96
36 - 40	0.91
41 - 45	0.87
46 - 50	0.82
51 - 55	0.76
56 - 60	0.71
61 - 70	0.58
71 - 80	0.41

NFPA79とは

NFPA79は、アメリカにおける産業機械用電気安全規格です。この規格は、産業機械や設備における感電や火災のリスクを防ぐことを目的としており、幅広い機械の内部で使用される電気・電子機器に適用されます。適用範囲や定義等は規格の更新で変化しているため注意が必要です。

他UL規格との相違点

アメリカで電気製品の安全に関する機関として広く知られているのが、UL（Underwriters Laboratories）とNFPA（National Fire Protection Association）です。どちらも安全基準（規格）を定め、製品の設計や評価に影響を与える存在です。
産業機械をアメリカへ輸出する際は、主にNFPA79とUL508Aという2つの電気安全規格への対応が求められます。

・NFPA79：機械装置全体の電気システムに関する安全規格
・UL508A：制御盤（コントロールパネル）に関する安全規格

このため、「装置全体はNFPA79」「制御盤はUL508A」に準拠して設計・製造するのが一般的です。これらの規格はANSI（米国規格協会）によって米国国家規格として認められています。そのため、ANSI/NFPA79やANSI/UL508Aと表記されることもあります。
これら規格への適合の証明は、主に認証マークを製品に表示することで証明されています。
ULマークは、ULが定める方法に基づいて製品の試験・検査を行い、合格した場合に製品への表示が許可されます。

FAQ NFPA79に関するよくある質問

NFPA70とNFPA79の違いとは？

NFPA70（通称NEC）は、建物内の電気工事に関する包括的な基準です。一方、産業機械のように特殊な電気配線が必要な設備には、専用の規格であるNFPA79が適用されます。
NFPA70でも機械配線に関してはNFPA79を参照するよう明記されており、両者は相互に関連しながら使われる基準です。

ガイドラインであるNFPA79にはなぜ実質的に強制性があるの？

NFPA70やNFPA79は本来ガイドラインであり、法的拘束力はありません。
しかし米国では州ごとに法律が異なり、多くの州でNFPA70が建物の電気基準として法制化されています。NFPA70内では産業機械の電気配線に関してNFPA79を参照するよう定められており、実質的に両規格への適合が求められます。各州で採用する年度版が異なるため、日本から機械を輸出する際は、輸出先州の適用規格を事前に確認する必要があります。

NFPA79に準拠していない製品を輸出してしまった場合のリスクとは？

NFPA79に準拠しないまま機械を米国に輸出し、現地で火災や事故が発生した場合、製造元が訴訟を起こされる可能性があります。アメリカでは製品安全に関する訴訟リスクが非常に高いため、NFPA79の基準に従うことは、製品の信頼性だけでなく企業の法的リスクを回避するうえでも極めて重要です。

北米対応ケーブル

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